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「裏表先代萩」鑑賞。(平成19年八月納涼大歌舞伎) [コンサート・舞台]


先日、第三部を鑑賞してきました。
最初は第二部希望だったのですが、話題作の喜劇があるからか
大人気で空きはありませんでした。
昨年、第二部で大好きな福助さん主演の喜劇を観ることが出来たので
通し狂言もいいかな♪と言うことで、これに決まり。
楽しみにしていたのでした。

鑑賞の日の2,3日前に、日経新聞に載っていた批評では
「眼目は第三部」だとの記載がありました。
勘三郎さんの三役初演だったのです。
(小助・政岡・仁木弾正)
初日が11日だとはいえ、NY公演を終えてすぐなのに
あの大役をあんなに見事に演じられるとは!さすがです。

さて、この「裏表先代萩」ですが、
有名な「伽羅(めいぼく)先代萩」、を表に、
そして大場道益を殺める小助をクローズアップした場面を絡ませ
これを裏、として描いている作品のようです。
「伽羅先代萩」は以前観た事がありました。
仁木弾正役は仁左衛門さん♡だったのでよく憶えています。
政岡は、当時の鴈治郎さん(3代目)だったかな・・・?
うーん、これはちょっとうろ覚えなので、実家に帰ったとき調べてみよう。
→実家で調べてみたらやはり当時の鴈治郎さん
(現坂田藤十郎さん)でした。

簡単なあらすじを。(松竹HPより)・・・
<通し狂言 裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)>

足利家転覆をもくろむ悪臣の仁木弾正(勘三郎)らは、
廓通いにうつつを抜かすお殿様・頼兼(七之助)を襲うも失敗。
≪花水橋≫。

今度は幼い鶴千代君を毒殺しようと、医者の大場道益(彌十郎)に
毒薬の調合を依頼します。
道益はその報酬二百両を手にしたのをいいことに、
日頃から横恋慕していた隣家の下女お竹(福助)に、
さらに言い寄ります。
父の借金を返すため道益から金を借りたいお竹ですが、
そのいやらしさには耐えきれず、逃げ出します。
道益の二百両を狙っていた下男の小助(勘三郎)は、
道益を殺害してその金を奪い縁の下に隠すと、
お竹に罪をなすりつけます。≪大場道益宅≫。

鶴千代の乳母・政岡(勘三郎)は、わが子千松と共に
幼君の側に控えています。
そこへ栄御前(秀太郎)が来訪すると、弾正の妹八汐(扇雀)、
沖の井(孝太郎)らと共に出迎えた政岡は、
栄御前が見舞いと称して持参した毒入り菓子を、
千松に毒味させ幼君を守ります。
奸計の発覚を恐れた八汐は千松を殺害。
それでも顔色を変えない政岡を味方と思い込んだ栄御前は、
謀略を打ち明け連判状を手渡します。
証拠の一巻を手にした政岡ですが、その連判状を鼠がくわえて逃げ、
一度は家来の荒獅子男之助(勘太郎)がとらえるものの、
結局取り逃がしてしまいます。
この鼠は、仁木弾正が妖術をつかって化けたものでした。
≪御殿・床下≫。

道益殺しを裁く問注所。
お竹が断罪されようとするところへ、
細川勝元の家臣・倉橋弥十郎(三津五郎)が
動かぬ証拠を小助に突き付け、小助に罪が下ります。
そして弾正も、老臣・渡辺外記左衛門(市蔵)の命を賭けた
上訴により、ついに細川勝元(三津五郎)によって裁かれます。
≪問注所≫。

ちなみに、実際は足利家ではなく
伊達家のお家騒動、が元だそうです。


今回はイヤホンガイドを聞きながら鑑賞したので、
自分だけでは気付けなかったかも知れないところまで堪能できました。
私の一番贔屓、福助さんは地味ながらとても重要なお竹を演じられ、
やはり所作の一つ一つがほんとうに美しく、色っぽかったです。
そして勘三郎さん。
小助、悪役なのに見ていて小気味よかった。憎めないんですね。
道益殺しのための手の込んだトリックがとても面白かった。
御殿の場では、千松の死を皆がやっといなくなってから
ひとりで悲しむ政岡に、涙しました。
以前観たときより、本当に本当に悲しかった。
私も歳を取ったのか。勘三郎さんの演技があまりに素晴らしいのか。
(両方だね。(笑))
浄瑠璃とぴったり息の合ったところが鳥肌立ちました。

弥十郎と細川勝元の二役を演じた三津五郎さんも、
あぁ~やっぱりなんて素敵なんでしょうか。
悠然とした頼兼を演じた七之助も綺麗だったし、
荒獅子男之助の凛々しい勘太郎もよかった!
私の夫は勘三郎さんの舞台を初鑑賞だったようで、
「勘三郎は凄い!いやぁ~よかったなぁ~」の連呼。
重厚だけどおかしみもある、バランスのよい演目で、よかったね。

ちょうど今日、先月のニューヨーク公演の放送があったので
録画しながら観た。
(途中でお風呂に入ったので最後はまだ観ていない)
いつも思うんだけど、扇雀さんは若い娘、姫よりも
今回(裏表先代萩の「八汐」)のような「重鎮」的な
女性を演じた方がいいなぁ。
お顔がとぉ~っても大きいので(失礼?)そう思えるのかも?
それにしてもお兄さんの翫雀さんとっても好きなんだけど
最近お見かけしない。お元気かな~。

第一部、二部も鑑賞したいなぁ。
如何せん、時間もお金もないか・・・。
またの機会が楽しみです。

後日追記: NY公演の「法界坊」の続きを観ました。
最後の「大喜利 隅田川の場」鳥肌が立ち、TVの前で
ひとり涙して拍手。←怪しい
素晴らしい!
そして、お組役が扇雀さんである必要性が理解できた(笑)。
法界坊と野分姫の合体した霊と、背格好が同じでなければ
ならないのね。なるほど!
華奢で若い役者さんなんかだと、つりあわないわけですね。
この演目、汚そうであまり好きではなかったけど、
よかったわ。
母は、お父さん(先代の勘三郎)の当たり芸で
よく観に行ったわよ。面白いでしょ?と。
いつか選んで生で観てみてもいいなぁ、と思ったのでした。


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愛染かつら

こんばんは。
旦那様との観劇、羨ましいです~。

勘三郎丈は世話物を演らせると憎めないキャラを上手くお創りになりますね。
小助はまさにそんな人物でしたね~。

歌舞伎役者さんは名作と呼ばれている作品(歌舞伎十八番や伽羅先代萩のようなもの)の台詞は、ご自分がなさらなくともだいたい覚えているようです。(特に自分がいつかは演じることがあるだろうと思われるもの)
今月の「裏表先代萩」の勘三郎丈も多分、「表」の部分の台詞はあらかた入っていたのではないでしょうか。
「裏」の方はほぼ上演されないので、こちらの台詞を入れるのは大変だったと思いますが…
幕が開いてからもプロンプが付くのは歌舞伎にはよくあることですので、おいおい覚えていく…という方が多いようですね。
それにしましても、やはり歌舞伎役者さんというのは凄いといつも感激いたします。
by 愛染かつら (2007-08-28 02:08) 

Moni

愛染かつらさん,
コメントとniceを頂きありがとうございます^^

世話物の勘三郎さんは天下一品!ですよね。
あと、(特に女形の)舞踊も大変好きです。

そういえば、目立った役どころの方ではなかったですが
先日プロンプ・・・のようなものを見かけた気がします。
あれだけの台詞に所作、舞踊、ときにはアクロバット、
本当にすごいですよね。
今回以外だったのは、政岡が初演だったということです。
もう既にされているとばかり思っていました。
勘太郎くんのあの役は、おチビちゃんの頃からの
憧れだったみたいですね。
あぁ、またの鑑賞が楽しみです。
by Moni (2007-08-28 19:31) 

Moni

aburayaさん,
ご訪問&nice!を頂き、ありがとうございました。
by Moni (2007-08-28 19:32) 

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